1990年春に書かれた詩。春の海の透明感が希望とともに伝わってくる気持ちの良い詩だ。 三省さんにとって、海はまず第一に日々の食事のおかずをもたらすものであった。海は自分達が貝を採りに行く場所であり、近所の漁師たちが魚やイカなどを獲ってきて持ち帰り配ってくれる所だった。 そしてさらに食べ物だけではなく、本来の希望を与えてくれる場所であり、静かに沈潜する自分に真理という大切なものをもたらしてくれるところだった。難しい言葉も華美な言葉もなく、率直にすとんと胸に落ちてくる無駄の
春の訪れと旅立ち 3月に入ると野山には可愛い花や新緑が見られ始めます。 小さな虫たちも活動し始めます。 里ではいろんな鳥の声が聞こえるようになってきます。 ウグイスの「ホ~ホケキョ」はさえずりと言い、雌へのアピールになります。 冬の間はこの声が聞こえませんが、居なくなったわけではなく、「ジャッジャッ」と「笹鳴き」と呼ばれる地鳴きで鳴いています。 似たような地味な地鳴きで鳴く鳥が多いのですが、この時期になるとさえずりの練習を始めるようです。 冬の間、里に下りてき
皆さまこんにちは‼︎ お久しぶりぶりの投稿になりました〜 実はあけましておめでとうございますを言えていません… 笑 年始の投稿吹っ飛ばしました すみません アレだ、年末も飛ばしたかなーーー??? まぁ、それくらいお久しぶりでございます 12月は『ぽんかん』の事を書こうと思って写真は撮っていたものの記事が書けず 気づけば2月(いや、正式には今は3月) 無理言って2月のフルーツ記事でアップしていただきました その今月のフルーツは 『サワーポメロ』ですっ! えっ???
屋久島の2月下旬はすでに春模様。 外ではすももの花が咲き、早咲きの桜も満開です。 この時期の屋久島もまだまだ色々なお野菜が色取ってくれていますが、一際目を引くのがアスパラ菜やロマネスコ、カリフラワーやブロッコリーといった花野菜たち。 もう暖かくなるよ、春が近づいているよ、という合図のように、もこもこと可愛い姿を見せてくれます。 ゆがいてディップをつけて、というのは定番の食べ方ですが、この茹で方が結構奥深い。 コツはたっぷりのお湯で泳がせるようにゆがくこと。 決してギチ
屋久島水揚げ第2位の魚 屋久島での水揚げ第1位の魚といえば、みなさんご存じのトビウオ。 年間を通して10種類前後のトビウオが獲れる。 トビウオと並んで屋久島で有名な魚といえば、観光客にも人気の首折れサバ。 こちらはゴマサバという種類で、1日の出荷制限もあり屋久島での水揚げは第5位となっている。 では、第2位の魚とは? それは、メダイ。 体に対して目が大きいことから名付けられた白身魚で、屋久島ではタルメと呼ぶ。 旬は1月~3月で、鹿児島県の冬の魚にも選ばれているが、 島内で
炭を継ぎ薪を燃やして 屋久島の冬は寒い。島の北部で暮らす島人は、特に寒がりである。前岳に雪が積もり、北西の風が吹き荒れ、気温が10度を切ると、「凍え死ぬよね」なんて、たわけたことをのたまうのだから、情けない。 だが、明治10年に建てられた我が家は、本当に寒い。礎石の上にポツンと乗っかっているだけの「キャクロ作り」なので、床下はスッポンポン。冷たい風が、我が物顔で通り抜け、時折畳の隙間から、家の中へと不法侵入してくる。壁も一枚壁なので、アチコチに開いている節穴から、虎落
「夢起こし」は三省さんが屋久島に移住してまもない頃の作品だ。 『びろう葉帽子の下で』の初版は屋久島移住10年の節目に出されたから、少なくとも10年以内の作品である。 屋久島に移住して、これから自らの自己実現の道を歩むという喜びの中で創られている。 畑の土を起こすという慣れない仕事をしながら、自分の夢を起こしていると身震いするような喜びの中にいたに違いない。 その心の震えが伝わってくるようだ。 「その夢は椎の木、小麦、ばんじろう、船、神」と畳みかけるような言葉たちが読む者の心も
............ 山下あけみ 種子島出身のひつじ年でうお座。 漁船漁港を描くのが好き。 特に種子島で製造されていた薩摩型木造船には思い入れがある。 埴生窯に嫁に来てから、紹介を兼ねて窯の仕事や屋久島の自然をマンガに描き、不定期だがFBページはにい窯にて連載中。 「やくしまびより」でも島の日々のちょっとした出来事や身近な自然の風景を描いていく予定です。 どうぞご覧ください。 はにい(埴生)窯 https://www.facebook.com/hanii
「寒波の後には・・・」 十年に一度といわれる寒波が、1月下旬に日本全土に押し寄せました。屋久島でも久しぶりに積雪が見られた集落もあったようです。 寒波が来るとその北風に吹かれてなのか、寒さを逃れるように普段見られない鳥がやって来ることがあります。 その一つがカモメの仲間です。 中でもウミネコがよく見られます。特徴は白い体に灰色の翼、黄色い長いくちばしの先端に黒と赤の差し色が入っていることです。そして、尾羽に黒い帯が入っているのも特徴で、英名ではBlack-taile
命感じる1本釣り 屋久島に来た頃、島の漁業の中心は、トビウオ漁と一本釣り漁だと聞いた。 私のイメージでは、一本釣りといえばカツオ漁。何人かで船に乗り込み、竿を上下させる激しい漁業なのかと思っていた。 しかし、安房地区の一本釣り漁師は、皆一人で漁船に乗って沖に出る。 「こン釣り機っちゅうんを使うのよ」と指さす方を見てみると、角ばったいかめしいボディに円形の部品がついた「機械」が船べりに装備されていた。 これが釣り機。円形の部品には釣り糸が数百メートル巻かれていて、リールのよ
新年も気づけば1カ月が過ぎようとしていますね。 後れ馳せながら、今年もどうぞよろしくお願いいたします。 お正月からの屋久島は、なんだか春のよう~、という暖かさが続いたかと思えば数年ぶりの雪が降ったり、なんだか不思議な気候です。 そんな最近のお楽しみはきのこ。 原木で栽培されているきのこたちは焼いても天ぷらにしてももちろん鍋でも主役になれる美味しさ。 湿気の多い屋久島に合っているのか、栽培してる人も沢山いてくれて嬉しいかぎり。 だんだん大きくなるきのこを見守って、ここ!って
2023年の新年は穏やかに明けた。 年末年始は、例年北西の風が吹き荒れて寒いという印象があるせいか、おだやかな陽ざしがふりそそぐお正月というのはいいものだなあと心底思った。 年末に心細くなってきた風呂用のまきにするために頼んでおいた材が来たのが嬉しくて、まき用に切り分ける仕事を元日のその日にもちょっとだけした。そんな材の上に腰かけて、陽ざしを受けていると、どんなに厳しいできごとがあっても、なんとかやっていこうという気持ちになる。それが新年を迎えた日であればなおさらのことだ。こ
伝統行事=鬼火焚きのこと 1月7日は、屋久島の各集落で「鬼火焚き」が行われる。門松や注連縄(しめなわ)などを一か所に集めて燃やし、その赤い炎で「鬼」を焼き殺して、この一年間の無病息災を祈願する年中行事である。 ぼくの暮らす宮之浦集落では、現在NTT前の広場で行っているが(かつては益救神社前の砂浜で行っていた)、昔と比べると、ずいぶん小さな「鬼火焚き」となってしまった。その一番の理由は、昔ながらの門松飾りをする家が少なくなったからだろう。時代とともに簡素化が進み、最近では門
水辺の鳥を見に行こう 冬になると安房川や永田川、栗生川、宮之浦川など大きな川に、カモの仲間が見られるようになります。冬の時期を屋久島で過ごすために渡って来ますが、10月頃から姿が見られるようになります。 よく見られるのがカルガモやマガモです。カモのイラストや絵文字によく出てくる、頭が緑色で嘴が黄色いのがマガモです。カルガモは嘴の先だけ黄色くて体は茶色いカモです。 流れが緩やかな河口付近で見られ、川幅の広い永田川や栗生川は数十羽の群れで水に浮かんでいるのが見られます。
「まつばんだ」の刃 屋久島に伝わる幻の民謡「まつばんだ」を初めて聞いたのは、1980年ごろだったろうか。そのころぼくは30歳を目前にして、人生に対する考え方が、大きく変わった時期だった。二人目の子供が生まれ、それまで自己中心的だった生き方から、子ども中心の、未来に軸足を置いた在り方へと、転換したころだった。 未来の子どもたちに重荷を背負わせてはならない。そのためにはぼくらは何をしなければならないのか? そのためには、何をしてはいけないのか? 当時ぼくは、「国有林即時